ハンコの書体

楷書

「楷書体」は漢字の最も基本的な字形で、日常的に広く使われている書体です。

中国における漢の時代の隷書体に代わり、南北朝から隋、唐で標準の書体となりました。

日本では比較的新しい字体ですが、印刷書体としても利用されているので、最もなじみ深い書体なのではないでしょうか。

すっきりとした字体で読みやすいため、実印などには用いられず、認印としてよく利用されます。


行書

「行書体」は、楷書体を崩した書体のことです。

楷書体は一画一画区切って書かれますが、行書体はいくらか続けて書かれます。

筆で書いたようななめらかな印影を形作ります。草書体と楷書体の間の書体として生まれました。

少し癖のある筆致のため、特に個人用の認印などで選ばれることが多い書体です。


隷書

「隷書体」は秦の時代に作られた書体で、篆書体を直線的に読みやすくしたものです。

横長で独特の運筆が特徴です。篆書体を速記するために簡略化したもので、バランスがとれた美しい印影を形作ります。

一万円札など日本銀行券にも使われている書体です。

可読性が高いため、実印などには用いられず、認印でよく利用されます。


古印体

「古印体」は印章彫刻用に生まれた日本独特の書体です。

線の強弱やとぎれなどが特徴で、素朴な味わいを表現した文字。他の書体に比べて読みやすく、なじみのある書体です。

可読性が高いため、実印などには用いられず、個人用の認印や銀行印などによく利用されます。


篆書体

「篆書体」は古来中国から伝えられた書体で、重厚かつ風格のある印影を形作ります。秦の時代、始皇帝の李斯の献策によって統一された文字。

日本銀行が発行するお札やパスポートなどにも使用されています。

象形文字を基本としており、可読性が低く、偽造しにくい書体となります。

そのため、個人用・法人用かかわらず実印など重要度の高い印鑑でこの書体が用いられます。

実印以外でも、個人の銀行印など、全ての印鑑で利用できます。